未来に残したい島の記憶 宮戸島読本

宮城県松島湾に浮かぶ、最も大きな島「宮戸島」の郷土誌をまとめた、『未来に残したい島の記憶 宮戸島読本』の紹介をさせて頂きます。
 この本の中で、江戸時代に漂流してロシアに渡り、結果的に日本人として初めて世界一周した日本人となった宮戸島出身の儀兵衛と多十郎の話を書いております。
 二人は、1793年11月に石巻を出港した千石船・若宮丸の乗組員でした。若宮丸は航海の途中福島沖で嵐に遭い、約半年漂流の末、当時ロシア領だったアリューシャン列島の小島に漂着しました。島民に親切にしてもらい、乗組員15人がロシアの役人に引き渡され、数人はイルクーツクで日本語の教師をした後、イルクーツクで亡くなった2人と病気のため途中脱落した3人を除く10人が、レザーノフに連れられてペテルブルグのロシア皇帝に謁見しました。漂流民はロシア皇帝から帰国の意思を問われ、4人(儀兵衛と多十郎他2人)が帰国の意思を示し、レザーノフと共に、ロシアの軍艦ナジェジダ号で、大西洋を横断、南アメリカの南端を廻り、ハワイを経て、1804年9月に長崎に到着しました。ロシア側からすれば、漂流民を帰国させる名目で、日本に通商を迫る目的があり、その目的は失敗するわけですが、結果として、レザーノフ達ロシアの船員と漂流民4人にはとても強い絆が生まれたと聞いております。本誌では、その一端しか紹介できませんでしたが、一つの小さな島に係わる日露交流の裏話にご興味のある方は、是非ご一読下さい。書店では販売致しませんので、入手希望の方は、下記あてにメール下さい。

宮戸コミュニティ推進協議会(担当 新沼)
miyato@kind.ocn.ne.jp ℡ 0225-86-2177

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